やさしい税務会計ニュース
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文書作成日:2017/08/01
会社の海外研修期間に業務以外の期間が含まれている場合の法人税における取扱い

[相談]

 当社は経営コンサルティングサービスを行っています。このたび、最先端の経営コンサルティング技術を役員及び従業員に学ばせ、サービス品質のさらなる向上を図るために、アメリカでの現地研修を実施することとなりました。渡航期間は7日間です。

 ただし、その渡航期間のうち研修を実施するのは5日間で、残りの2日間については、ラスベガスへの観光旅行を実施することとなりました。ラスベガスでは観光のみ行い、研修は実施しません。

 当社の今回の研修に伴う海外渡航費(ラスベガスへの旅費を含む)支出額は、下記のとおりですが、法人税法上どのように取り扱うべきでしょうか。

(一人あたりの支出額)
往復航空旅費 40万円(日本―アメリカ間)
現地滞在費   35万円(ラスベガスへの旅費を含む)
  計       75万円

※なお、上記支給金額は渡航のために通常必要な金額の範囲内です。また今回の旅行はアメリカ政府の観光渡航許可に基づいて実施します


[回答]

  1. ご相談の支出額のうち、65万円は御社の旅費として認められます。
  2. 残りの10万円は、役員または従業員に対する給与(もしくは賞与)となります。

[解説]

(1)業務の遂行上必要な海外渡航の判定

 法人の役員等の海外渡航が法人の業務の遂行上必要なものであるかどうかは、その旅行の目的等を総合勘案して実質的に判定することになります。ただし、観光渡航の許可を得て行う旅行等は、原則として法人の業務の遂行上必要な海外渡航に該当しません

 ご相談の海外研修は観光渡航の許可に基づいて実施されるため、上記のとおり、原則的には法人の業務の遂行上必要な海外渡航には該当しないこととなります。

 ただし、上記に該当する場合であっても、その海外渡航の旅行期間内における旅行先、行った仕事の内容等からみて法人の業務にとって直接関連のあるものがあると認められるときは、法人の支給するその海外渡航に要する旅費のうち、法人の業務にとって直接関連のある部分の旅行について直接要した費用の額は、旅費として損金の額に算入されます。


(2)観光をあわせて行った場合の旅費の取扱い

 法人の役員等が海外渡航をした場合において、その海外渡航の旅行期間にわたり法人の業務の遂行上必要と認められる旅行と認められない旅行とをあわせて行ったものであるときは、その海外渡航に際して支給する旅費を法人の業務の遂行上必要と認められる旅行の期間と認められない旅行の期間との比等によりあん分し、法人の業務の遂行上必要と認められない旅行に係る部分の金額については、その役員又は使用人に対する給与となります。

 ただし、海外渡航の直接の動機が特定の取引先との商談、契約の締結等法人の業務の遂行のためであり、その海外渡航を機会に観光をあわせて行うものである場合には、その往復の旅費(その取引先の所在地等その業務を遂行する場所までのものに限ります。)は、法人の業務の遂行上必要なものと認められることとなります。

 よって、上記のあん分計算は、その往復の旅費を海外渡航に際して支給する旅費の総額から控除した残額について行うこととなります。

 以上より、今回のご相談の支出額は法人税法上、下記のとおり取り扱われます。

@日本とアメリカとの往復旅費40万円…御社の旅費として認められる

Aアメリカでの現地滞在費をあん分
  35万円×5日/7日=25万円…御社の旅費として認められる
  35万円×2日/7日=10万円…御社の役員等に対する給与(もしくは賞与)

 なお、給与とされる金額については源泉所得税など他の税目の検討も必要ですので、旅行前に詳細を当事務所へご相談ください。


[根拠法令等]
法基通9-7-6〜7、9-7-9〜10


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